いろんな企業さまにお邪魔をすると「休眠顧客が増えてきて困る」「なんとか再来店して欲しいけどなかなか反応がない」などの声をよく聞きます。
今回はその休眠顧客を呼び戻すポイントについて解説します。

休眠顧客とは?

休眠顧客の再来店対策が必要な理由

休眠顧客とは、「以前、商品の購入やサービスの利用を行った顧客のうち、一定期間以上購入がなくなってしまった顧客」という意味です。

企業さまによって“一定期間”という定義は異なります。一般的には「1年以上」の設定が多い気がしますが、業種業態によっては「2年以上」や「3年以上」と設定する場合もあります。例えば、ある旅行会社は「3年以上利用履歴なし」を休眠顧客という定義をしています。

3年に1度以上当社で旅行を利用してくれればOKで、毎年利用は厳しいという設定です。なので休眠顧客は自社の業種業態に合わせて設定をしてください。

しかし、その休眠顧客は、接触をしてもなかなか再購入してもらえる率が低く、たくさん販促コストをかけても回収がしにくい施策の1つです。
ただし、休眠顧客の再購入対策は必要であると考えます。

休眠顧客の再来店対策が必要な理由

私はセミナーの講師を行うことが多いのですが、セミナー参加者にアンケートにより意見をお聞きしています。その項目の1つに「今後御社が力を入れていきたいことは何ですか?」と聞いています。結果は以下の通りです。

<アンケート結果> 複数回答可

1位:新規顧客の獲得     47.3%

2位:一般顧客のリピート対策 23.8%

3位:休眠顧客の再来店対策  12.1%

4位:優良顧客の囲い込み    8.5%

※兼松経営株式会社調べ

半数近くが「新規顧客の獲得」と答えています。裏返すと「現状、新規顧客獲得ができていないから新規に力をいれたい」とも考えることができます。

しかし、新規顧客の獲得には既存顧客維持の5倍のコストがかかるという1;5の法則があります。高いコストをかけて獲得した新規顧客を休眠・離反させてしまうのは、企業にとって大きなロスであるということが休眠顧客の再来店対策が必要な理由です。

また、以前に多かれ少なかれ興味をもってくれている人にアプローチするというのは、何も知らない人にアプローチするより、ハードルが低いですよね。

休眠顧客が、休眠になってしまった原因は?

休眠顧客になってしまう原因はなんなのか?さまざまありますが、以前、コンサルティングでお邪魔していたある通販会社さまで休眠顧客にアンケートをとったことがあります。その時に、休眠になる理由で最も多かったのはなんだと思いますか?
それは。。。

『特にない!』

だったのです。

もちろん、「転居」「近くに競合ができた」「店員に愛想がない」などもありましたが、1位は特に理由がなかったんです。
そうであれば、やはりこちらから再度コミュニケーションをとって再度購入してもらう可能性はありますよね。

休眠顧客対策

休眠顧客はセールの案内を送っていたが休眠になってしまったと認識をする

休眠顧客は多くの場合、しっかりDMやeメールなどでセールの告知等を行ってきていたと考えます。

要するに「こちらからセールの案内等広告のコミュニケーションをとっていたのにも関わらずお店に来なくなった人」が休眠顧客なのです。
ということは、休眠顧客に再度来店をしてもらおうと思い、セールのDMを送っても効果は望めないと考えた方が良いです。

休眠顧客の再購入対策は『右脳を動かすこと!』

では、休眠顧客に再度コミュニケーションをどうとればいいでしょうか?1つの有効な手段は『右脳を動かすこと』です。要するに、『びっくりした』『感動した』『感謝したい』などなどです。そのお店で購入するということは、価格などの物理的要素もありますが、『このお店が好き』という気持ちになることです。

その気持ちはセールの告知では生れるのではなく、前述の要素が大きな理由となります。
おススメは、このような要素を盛り込んだ紙DMを送ることです。この記事を読んでくださっているあなた、大切な情報はデジタルよりも紙の方が良いと思っていませんか?しっかりと紙DMで休眠顧客にアプローチしてください。

おススメのタイミングは元旦!

「今まで不摂生だったからちゃんとダイエットしよう」「勉強してこなかったから今年は勉強して資格を取ろう」などはいつ思うことが多いでしょうか?
気持ちを入れ替えるのは、何か出来事があった時、そして元旦ですね。元旦は今までの悪かったことを帳消しにして「今年はがんばる!」と言いやすいチャンスのタイミングです。
なので、休眠顧客の方にも「今年はこのお店に行ってみようかな」と思わせるには元旦が向いています。年賀状にあいさつとともに感動してもらうようなシナリオを入れ、再購入を促す、という方法は有効だと考えます。

いかがでしょうか?休眠顧客を元旦に再購入してもらうように呼び掛けてください。